research-note

新着一覧

2019.08.06

研究と報告 135  現代日本の地方財政と税源偏在問題  関野満夫(中央大学経済学部教授)

 近年、日本の地方財政では、安定的な地方税源を確保するという名目で地方消費税の増税が進んできた。その一方で、地方法人2税(法人事業税・法人住民税)については、地域的偏在性が大きく、かつ東京都への税収集中をもたらしている、という現実の中でやや複雑な偏在是正措置も取り入れられてきた。本稿では、現代日本の地方財政における税源偏在問題の実状を、東京都への地方法人税源の集中の背景にも注目して、整理がされています。
2019.06.26

研究と報告 134 2018年「指定管理者制度導入状況等調査」結果の概要と課題、今後の取組   角田 英昭(自治体問題研究所)

 公の施設の指定管理者制度が施行されてはや15年になります。総務省が2019年5月に公表した調査結果によれば、2018年4月現在76.268施設に導入されており、今回初めて減少に転じましたが、導入後の状況を見ると、それは「公の施設」のあり方、制度運営、当該の施設で働く人達、利用者・住民に大きな影響を及ぼし、制度の抜本的な見直しは緊急の課題になっています。
 本稿では、2018年「指定管理者制度導入状況等調査」の結果を踏まえて、改めて指定管理者制度の運用の実態と問題点、課題を明らかにしています。
2019.06.26

「季刊 自治と分権」76

 新自由主義のもとで広がる格差と貧困、公務の民営化・非正規化による労働者の不安、住民サービスの低下など国民生活をめぐる課題は深刻さを増しています。世間では天皇の代替わりによって元号が変わり、「令和最初の○○」と、まるで新しい時代が始まるかの雰囲気が作られています。
 特集では、公務公共サービスの産業化について、その変遷と対抗軸が示されており、現場レポートでは、学童保育事業、介護保険認定給付業務における民間委託との闘いと教訓が報告されています。
2019.04.16

研究と報告133 文化財の保存から活用へ 現状と課題   泰井良(静岡県立美術館上席学芸員、美術史家)

 「アベノミクス」に象徴される政府の経済政策は、大企業や高額所得者を優遇し、労働者や国民の生活・福祉を軽視するものに他なりません。同様に、文化政策においても、政府は、「稼ぐ文化」に傾倒し、文化財の保存・継承よりも、活用を優先させるという偏った政策に舵を切ろうとしてます。
 本稿では、政府の主な文化政策の現状と課題を分析したうえで、今後の文化財及び文化政策、美術館・博物館は、どうあるべきかについて考察しています。
2019.03.27

「季刊 自治と分権」75号

 辺野古の埋め立て強行、10月からの消費税率の引き上げ、憲法9条改悪議論など、国民要求と安倍政権による国政の乖離がより鮮明になってきています。参議院選挙を7月に控え、いま国と地方の進路が問われています。特集では、「安倍政権の9条改憲」「米軍基地問題と日米地位協定」「消費税」の側面から国と地方の進路について問いかけています。
2019.01.29

研究と報告132 「平成30年7月西日本豪雨」による愛媛県内の被害状況と課題 高尾佳孝(愛媛労連副議長/自治労連愛媛県本部 執行委員長)

「平成30年7月西日本豪雨」による愛媛県内の被害状況を県内でも被害の特に大きかった大洲市・西予市・宇和島市の3市での、発生要因や被害内容さらには地域特性による課題などを詳しく説明。平成の大合併によって「市」の規模は大きくなる一方で、職員数は大きく削減。こうした状況で今回のような広域かつ大規模災害が発生した場合、避難誘導や避難所開設など、住民の命を守る基本的な対応に大きな課題があることが露呈。
職員は災害発生直後から極限状態で住民の命を守るために懸命に活動し続けましたが、それでも野村地区で5人の尊い命が失われてしまいました。
 本稿では、改めて本来あるべき自治体の役割と、それを担うだけの職員数について考える必要性と、もう一つの命の砦である医療体制の課題や、災害時におけるライフラインの確保、職員の確保の観点からも早急な対策の必要性を明らかにしています。
2018.12.27

「季刊 自治と分権」74号

 今号の特集は、「『権力への忖度』か、憲法に基づく『全体の奉仕者』か」をテーマに、元文部科学事務次官の前川喜平氏、専修大学の晴山一穂名誉教授、自治労連弁護団の山口真美弁護士、自治労連の猿橋均中央執行委員長の新春鼎談。それぞれの立場から、自治体職員をめぐる現状と問題についてや、憲法をいかし、自治体職員が「『全体の奉仕者』としての役割を発揮するための展望」などを明らかにしています。自治体公務公共労働者にとって必見の内容です。
2018.12.17

研究と報告131 「平成30年7月豪雨災害」からの復旧4ヶ月―倉敷市真備地区を中心に(桒田但馬 岩手県立大学准教授)

 2018年7月、記録的な豪雨により、広域にわたって甚大な被害をもたらした「平成30年7月豪雨災害」は各地で河川氾濫や土石流、流木などを引き起こし鉄路や、国道を含む道路を寸断、多くの死者、行方不明者など未曽有の被害をもたらしました。
 本稿では、発災から4ヶ月間で2度、真備地区を訪問し、現地の実態調査や被災者へのインタビュー調査などを行った筆者が、真備地区を中心に西日本豪雨災害から4ヶ月の復旧状況の実態を明らかにし、産業復旧に関する公的支援の当面の課題について考察しています
2018.11.26

研究と報告130 老人医療無料化発祥の地~旧沢内村(現・西和賀町)で、「いのちの灯」建立35周年の集いを開く(NPO法人「輝け『いのち』ネットワーク」 代表 高橋典成)

 1960年12月1日、岩手県旧沢内村が65歳以上の高齢者を対象に、老人医療費無料化を全国で初めて実施した。その後、全国の人たちの呼びかけで「老人医療費無料化発祥の地」を顕彰する記念碑「いのちの灯」が、1983年12月1日に沢内病院前庭に建立されました。
 本年、10月14日に開催された、建立35周年を記念する集いの報告を掲載します。
2018.10.16

「季刊 自治と分権」73号

いま、総務省では、地方議会、議員、町村議会の「あり方改革」が検討されています。特集論文では、「町村議会の権限を限定する方向性」にあるとし、「個別自治体の自治を制限して圏域での合意形成を容易にしていく仕組みづくりの一環」であると「自治体戦略2040構想研究会」報告との関連性を指摘しています。