2021.12.23 『季刊 自治と分権』86 日本政府・財界は1980年代の臨調「行革」、2000年代からの「構造改革」において、国や自治体の公共サービスを縮小・民営化する政策を推し進めてきました。現在も「公的サービスの産業化」の名のもとに、公共サービスを民営化し、民間大企業の営利追求の対象に開放しています。一方で民営化は、サービスの質の低下、住民の人権保障機能の低下、企業との癒着、コスト増などの問題をもたらし、各地の自治体で直営に戻す動きも現れています。また日本政府が民営化の手本にしていたイギリスなど欧米諸国ではいま、労働組合・市民・研究団体の連携した取り組みで民営化された公共サービスを直営に戻す新しい動きが広がっています。 本号では、公共サービスの民営化をめぐる現状と問題点を取り上げ、日本における公共サービスの再公営化に向けた課題と展望を考えます。