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新着一覧

2015.06.28

季刊 自治と分権 60

 「戦後日本の地方自治」をテーマにおこなった、宮本憲一・猿橋均対談は、公務労働者が持っている「特殊性・全体制」といったものが、捉えられづらくなっている今、宮本先生から、公害闘争、自治研活動などの実践を通じて、自治体・公務公共労働者の本来的役割が語られました。政府の言う「国益」のもとに、住民生活がないがしろにされている今日、必読の対談です。
 ないがしろにされているもののひとつが、人間の尊厳を保障する社会保障の自己責任化と切り捨て政策。戦後の日本において、どのように社会保障が位置付けられてきたか、歴史を振り返りながら、社会保障のあるべき姿と、運動的課題を丁寧に解説した柴田英昭論文。戦争する国づくりと、社会保障充実の両立はあり得ません。
 首長インタビューに登場した、稲本内子町長は、子どもたちに一流の文化を、農家の主婦を経営の主人公にと、住民一人ひとりが輝く政策に力を注いでいます。戦争経験者による体験記録を若者に継承する活動は、歴史認識を正しく後世に伝えるもの。
2015.03.30

季刊 自治と分権 59号

首長インタビューは、上杉の城下町として知られている山形県米沢市長の安部三十郎さん。名君とし

て有名な上杉鷹山の藩政改革にも倣いながら、市政改革にとりくんで3期目の市民派市長です。

特集は「国民生活と自治体のゆくえ」。
2015.02.19

研究と報告107 原発避難自治体の「町外コミュニティ」構想と自治体再建の課題 角田英昭(地方自治研究者)

東日本大震災、福島原発事故が発生して4年が経過しました。今も故郷に戻れない原発避難者は12万人以上(うち県外避難者は4.6万人)もおり、先の見えない長期の避難生活を強いられています。避難自治体では、2012年春以降、避難指示区域の見直しが行われていますが、双葉郡等では今も放射能汚染は深刻な状態にあり、早期の帰還は困難です。
こうした中で、町外に避難した人達の多くは、現在も原発避難者特例法に基づく特例措置で避難先の自治体から福祉や教育のサービスを受けており、その受給実態を把握し、必要な改善措置を講じていくことは急務です。
同時に、安定した生活の拠点づくり、自治体機能の拡充、再建も焦眉の課題です。町民の意識も避難が長期化する中で変化してきており、復興庁の住民意向調査によれば「町に戻らない」が急増しています。政府も2013年12月の閣議で復興指針を見直し、これまでの全員帰還方針(目標)を断念し、避難先に定住する場合の賠償措置の追加も決めました。
こうした状況を踏まえ、ここでは双葉郡4町(双葉町、大熊町、浪江町、富岡町)で具体化されている仮の町「町外コミュニティ」の到達点と自治体再建の課題について考えてみたいと思います。
2014.12.25

季刊 自治と分権 58号

首長インタビューは、大阪府堺市長の竹山修身さん。2013年、堺市を分割する大阪都構想に反対し、「堺はひとつ」をスローガンに政党の枠を超えた市民の共同でたたかい、大阪維新の会公認候補を大差で破った。大阪都構想や維新と与したことは一度もないと語る。

特集は「地方自治の可能性」。岡田知弘教授の「『自治体消滅』論に対抗する地方自治の可能性」。自治体消滅論の問題点を解明し、安倍政治の「地方創生」戦略が道州制導入の地ならしとしての側面を有していると指摘。こうした政策に対抗する動きが小さな自治体や大規模都市自治体でも広がっていることを紹介している。川瀬光義教授は、条件不利地域の財政支援策の変化、森裕之教授は、都市内分権の現状と課題について論じている。

「民主的自治体労働者論の生成と今日的意義」(後編)は必読。新シリーズ「自治体労働者-実像に迫る」の高井一聴さん(横浜市ケースワーカー)のインタビューも合わせて読むことをお薦めする。
2014.10.02

季刊 自治と分権 57号

首長インタビュー『保守王国で市民とともに市政転換』五位塚剛さん(鹿児島県曽於市長)
昨年7月21日、周囲の予想を裏切り、現職を破って曽於市長に当選した五位塚さん。保守色の強い土地柄の鹿児島県曽於市で何が起きたのか。そして、あれから1年、市政は今どうなっているのか。五位塚市長を訪ね、お話しを伺いました。
特集は、「自治体の市場化・民営化」です。
2014.09.05

研究と報告106 増田「極点社会・自治体消滅論」のねらいと戦略を検証する

日本創成会議のいわゆる増田レポートは地方に衝撃を与えました。なぜ、このようなセンセーショナルな形で公表したのでしょうか。中央公論の特集には「特集-壊死する地方都市、戦慄のシミュレーション」とまで書かれています。発表後、当該自治体、住民には少なからず危惧や動揺が広がっており、6月議会で質問が集中した自治体もあります。これは厳しい条件の中でも頑張っている自治体、地域住民の日々の努力や営みを否定し、意図的、戦略的に自治体の再編、地域の切り捨てを図る攻撃であり、事実に即した検証が必要です。

 角田英昭(自治体問題研究所常務理事)
2014.07.10

季刊 自治と分権 56号

☆「戦争する国」に向かう安倍政権の暴走-秘密保護法、集団自衛権の行使容認と続く。「憲法9条を掘り崩すあらゆる動きに反対の声を」と繰り返し訴える小沢論文。「秘密保護法は有事法制との齟齬をはらんだまま廃止を」と喝破する田中論文。さらに広島、京都、愛知、長野、神奈川のレポートで特集を構成。
☆数万人が訪れる「がいせん桜まつり」とブナの原生林が覆う毛無山-2つの地域資源をいかした岡山県・新庄村(人口1千人)。笹野寛村長は、「地域づくりの主役に」と職員への期待を語る。
☆河村論文は労働者派遣法改正案が成立すれば自治体職場も大きく変容することをわかりやすく分析。石井論文は、戦後日本の教育委員会制度を検証し、住民自治と結合した「教育福祉機関」の機能を提起する。
☆地方交付税が国の政策誘導手段の性格をもつなか、森論文は「優れた地方自治に基づく実践的提案の積み重ねを」と提起する。高山論文「ここから始める地域調査」に「これならできる」と合点されるだろう。調査活動に一歩を。
☆シリーズ「非正規・公共関係労働者」は、社会福祉法人の障害者支援施設で働く河嶋さん。民間福祉施設の労働者がなぜ自治労連に?そこにドラマがある。
☆読みどころ満載。地方自治の民主的発展を願う人々の必読の季刊誌『自治と分権』を、あなたも。