研究と報告

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2020.10.14

研究と報告139 新型コロナウイルス感染症の経済・財政問題 ~命・健康を守るための対策とは 桒田但馬(岩手県立大学)

 日本でも他の国々と同様に、2020年に入って新型コロナの感染者が確認され、死者とあわせて増加し続けている。同年7月時点で終息の気配は全くみられない。本稿では新型コロナの感染拡大を巡る、国や地域・自治体の感染症対策を分析し、全国、地域に与えた経済的影響を踏まえたうえで、主に国の経済対策を分析、評価した。

 国の経済対策は、量(規模)優先が特徴としてみえてくる。その内容では、現金給付ないし損失補償に限りなく近い制度が創設され、中小企業の資金繰り対策とともに中心となった。他方、迅速な支給を重視してシンプルな制度が設計されたが、実際には時間を要し、手続き面で重大な課題がある。

 感染症対策と経済活動・対策の関係が問われているが、「命を守るか経済を守るか」の二項対立ではない。また、「命も経済も守る」は出口戦略にとって必要条件であるが、十分条件でない。回答は「命・健康を守るための経済・財政」である。感染症との共生社会として、公共、民間、非営利の各セクターが協力、連携して、保健、医療、福祉などのインフラ整備が何よりも充実されなければならない。