季刊 自治と分権

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No.92 /
2023.06

季刊 自治と分権 92号

 岸田政権が敵基地攻撃能力を保有することを盛り込んだ「安保3文書」を閣議決定し、憲法9条に違反してアメリカと共同した海外への武力行使に踏み出そうとしています。軍事費をGDP2%以上に引き上げて新たな国民負担増を押し付けて、軍事大国・戦時国家への道を突き進んでいます。民間の空港や港湾も軍事利用を行い、自治体は住民監視、自衛隊員募集など戦争遂行の一翼を担わされようとしています。本号では、岸田政権の「安保3文書」の問題点をはじめ、国の安全保障のありかたと自治体の役割について、憲法と地方自治の視点から考えます。

92号は、特集が「国の安全保障のありかたと自治体」

 特集論文では、青井未帆氏(学習院大学教授)に「日本国憲法から見た安保3文書の問題点」、関野満夫氏 (中央大学教授)に「軍事費膨張は国民に何をもたらしたのか日本の戦争財政(1937-45)の経験から」、白藤博行氏(専修大学名誉教授)に「「国防三文書」と平和主義、そして地方自治」、前田定孝氏(三重大学)に「市町村が住民の氏名・住所を自衛隊募集ために外部提供することの公共性?」、を執筆いただきました。

 首長インタビューは、滋賀県米原市・平尾道雄市長。「憲法には当たり前のことが書いてあるのです。憲法を読んで生かせば、おのずと必要な政策が生まれて来る」と語る平尾市長。幸福追求権(憲法13条)を市民の暮らしに活かす地域づくり、憲法9条の精神を次世代に引き継ぐための事業、自治体職員への期待について熱く語っていただきました。

現場レポートでは、沖縄から「南西諸島における安保関連3文書の具体化と島々を戦場にさせない住民のたたかい」、埼玉から「憲法を身近なものに埼玉県本部Constitution Park(憲法カフェ)の試み」を報告いただきました。

「季刊 自治と分権」92号の内容は下記のとおりです。

 

 ) 随想  放送法文書をめぐる自治体は何を意味しているか

    晴山一穂(福島大学・専修大学名誉教授)

 ) 首長インタビュー       滋賀県米原市長 平尾道雄さん

                  インタビュアー 本多滝夫(龍谷大学教授)

 ) 特集  「国の安全保障のありかたと自治体」

●特集論文

   「日本国憲法から見た安保3文書の問題点」

    青井未帆(学習院大学教授)

   「軍事費膨張は国民に何をもたらしたのか日本の戦争財政(1937-45)の経験から

関野満夫(中央大学教授)

「「国防三文書」と平和主義、そして地方自治」

白藤博行(専修大学名誉教授)

「市町村が住民の氏名・住所を自衛隊募集ために外部提供することの公共性?

前田定孝(三重大学)

) 論文

   「会計年度任用職員の労働実態と課題自治労連アンケートの分析をもとに

    山縣宏寿(専修大学准教授)

) 現場レポート

「南西諸島における安保関連3文書の具体化と島々を戦場にさせない住民のたたかい」

石垣ユニオン(西村幸吉・白玉敬子・土田敦子)、宮古島ユニオン

   「憲法を身近なものに埼玉県本部Constitution Park(憲法カフェ)の試み

    自治労連埼玉県本部憲法運動推進委員会

 ) 弁護団レポート

   「都立病院の地方独立行政法人化とこれから」

    尾林芳匡(弁護士)

 )  自治の歴史と文化 第13

   「市民ですすめる奈良町のまちづくり」

    藤野正文(公益社団法人奈良まちづくりセンター理事長)

 )  ブックレビュー

 )  自治体日誌