季刊 自治と分権

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No.84 /
2021.07

季刊 自治と分権 84号

特集 自治体のデジタル化-問題点と課題

 政府は今年9月にデジタル庁を発足させ、国と地方自治体の「デジタル化」を進めようとしています。
 デジタルの技術は人類が生み出した最新の技術であり、地方自治体においても、「住民の福祉の増進」が図られるように有効に活用することが必要です。しかし一方で、デジタルの技術は未完成であり、セキュリティも万全ではありません。
 国は、デジタル技術を使って国民の個人情報を流用させ、個人情報を国民監視と企業の営利追求のために活用しようとしています。
 デジタル技術は、誰が、何の目的で、どのように取り扱うのかが問われています。本号では、国が進める「デジタル化」戦略について、国民の基本的人権と地方自治を守る立場から問題点を検証するとともに、今後の自治体におけるデジタル政策のあり方について考えます。
『自治と分権』84(21年夏)号

 84号は、特集が「自治体のデジタル化-問題点と課題」。随想で永山利和・元日本大学教授は「新型コロナ感染症への惨状の根源は、人員削減、IT・ガバナンス不足、ベンダー依存等がある。デジタル庁設置、縦割り行政への横串打ちを拙速に進めると、IT政策崩壊を招きかねない」と。特集論文は、「地方行政デジタル化の特徴と課題」稲葉一将名古屋大学教授。「マイナンバー制度とプロファイリングされない権利」自治体情報政策研究所黒田充氏。黒田氏は「今、必要なのは、プロファイリング規制の運動を広範な住民とともに立ち上げることに期待したい」と。浜岡政好佛教大学名誉教授は、「最賃・社会保障の両輪論と労働組合の社会保障運動」で「社会保障運動めぐっては最賃運動で成果をあげたような、組合員の生活実態、社会保障実態を明らかにする調査活動が有効と。そこには自治労連がすすめる「民主的自治体労働者論の実践」と共有。それに応える広島自治労連と自治労連千葉県本部の2つの現場レポート。

 ”首長インタビュー”東京都あきる野市村木英幸市長、インタビュアー山口真美弁護士。市長は「五日市憲法草案、起草の地。草案は立憲主義、基本的人権の尊重の内容なども含まれており、明治憲法より、現在の憲法にも内容的に近い」等と語っていただきました。

 ”シリーズ自治の歴史と文化”は、京都・祇園祭。井上成哉氏(八幡山理事)は、「864年に富士山が大噴火、869年には陸奥で貞観大地震・大津波が起き、京の都でも疫病で人々が次々に亡くなっていきます。悪霊を祓って欲しいと、祇園祭りは863年に神泉苑(現二条城の西側)で行われた御霊会が始まり」と。さらに「弁護団レポート」、「イチから教えて」等、今号も職場と地域でぜひご活用ください。

「季刊 自治と分権」84号の内容は下記のとおりです。

 

1) 随想 「デジタル政府実装の“夢”は、デジタル庁設置で実現するのか」 永山利和(元日本大学教授)

2) 首長インタビュー   東京都あきる野市長 村木英幸さん (自治体首長九条の会)

                インタビュアー 山口真美(弁護士・「自治と分権」編集委員) 

3) 特集 自治体のデジタル化-問題点と課題

   「地方行政デジタル化の特徴と課題」 稲葉一将(名古屋大学教授)

   「マイナンバー制度とプロファイリングされない権利」 黒田充(自治体情報政策研究所代表)

   「総務省『DX推進計画』と自治体デジタル政策の課題」 久保貴裕(自治労連・地方自治問題研究機構主任研究員)

4) 論文 「最賃・社会保障の両輪論と労働組合の社会保障運動をめぐる課題」 浜岡政好(佛教大学名誉教授)

5) 現場レポート

  ①「地域のごみ処理問題に、住民とともに取り組む」

   青木浩二(鋸南地区環境衛生労働組合)、黒濱亮(自治労連千葉県本部書記次長)

    ②「いのちと健康をまもるため、あなたの声を届けよう!「はがき署名」の取り組み」

   金子秀典(広島自治労連書記長)

6) 弁護団レポート 「コロナ禍における首都圏青年ユニオンと顧問弁護団の活動」

   川口智也弁護士(弁護士)

7) シリーズ-イチから教えて自治体職員の働き方(最終回) 

  「自治体職員のメンタルヘルス問題」 阿部眞雄(医師)

8) 自治の歴史と文化 第5回 「祇園祭と京都の住民」 

   井上成哉(八幡山理事・京都市中京区明倫学区まちづくり委員)

9) ブックレビュー

10) 自治体日誌