研究と報告

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2015.09.29

研究と報告108 地方版人口ビジョン&総合戦略の策定状況とその内容、課題 角田英昭(地方自治研究者)

政府は2014年12月に「まち・ひと・しごと創生法」に基づき人口減対策としての「長期ビジョン」と今後5カ年の総合戦略を策定し、関連予算・支援措置を決定した。これを受けて、各自治体は2015年度中に地方版総合戦略と人口ビジョンを策定する。
10月末までに策定した自治体には1団体当たり1000万円が交付される。8月14日の締切日までの申請状況は、都道府県が36団体(81%)、市区町村が698団体(40%)である。策定に向けては、既存の総合計画との整合性や人材・ノウハウの確保、重要業績評価指標の設定、PDCAサイクルの導入、効果検証等が求められ、民間シンクタンクへの丸投げや地域間格差の拡大も懸念されている。そのため政府は相談窓口の設定、人材支援、膨大なビッグデータの活用、細かな政策パッケージを示し、財政誘導も行って国の戦略・方針の徹底を図っている。
その中で、いま自治体の立ち位置、基本方針、進め方が問われている。大事なことは地域にしっかり根をおろし、住民、職員、議員、地元企業、研究者等の参加で地域挙げての計画、地域づくりを進めていくことである。政府はこうした自治体の自主的、自律的な取組を支援し、雇用や福祉、教育等で基盤整備を早急に行うべきである。全国市長会も今年5月、医療・教育はナショナルミニマムとして国が責任を持ち、子どもの医療費等は国が一律負担、無償化すべきと提言している。
ここではこうした現況を踏まえ、業界紙や一般マスコミ、自治体広報等に掲載された記事・情報等から、各自治体での地方版人口ビジョン、総合戦略の策定状況と検討内容、課題をまとめてみた。今後の活動に活かしていただければ幸いである。
なお、この問題は公共施設等総合管理計画や合併算定替廃止に伴う交付税減額等とも連動しており、これらも含めて総合的に検討していくことが必要である。