季刊 自治と分権 - 1・4・7・10月 年4回発行 - 定価1050円

研究と報告

No.111 /
2016.08.10

地方創生の国交付金で撤退企業を救済か 7保育所等を統合し630人の「こども園」 大阪府阪南市 木村雅英(地方自治研究者)

阪南市(大阪府)が、すべての公立幼稚園(4園)と保育所(3所)を1か所に統廃合し、630人の認定こども園等を開設しようとしている。開設場所は大型家電量販店(ヤマダ電機)の空き店舗。国の地域再生戦略交付金(内閣府)で購入し、都市再構築戦略事業(国土交通省)でリフォームし、一般財源で定期借地料を肩代わりする。撤退企業の救済策とも言えそうだ。
計画の第1の特徴は、地域の公立保育所等を市内1か所に集中させること、しかも交通量の多い国道沿いに移転することにある。第2の特徴は、定員630人の大規模なこども園に変身させることにある。子どもの育ちと子育て支援からみて問題だ。
第3の特徴は、政府(内閣府・国土交通省)や与党(公明党)国会議員が深く関わり、しかも「地方創生」の国交付金だからこそ、空き店舗購入に使えることである。政府が地方自治体を振り回し、国交付金を撤退企業の救済に使うことは問題だ。
第4の特徴は、秘密裏に協議を進めたことだ。しかも保護者、市民の住民投票実施請求署名も一蹴して計画を推進している。民主的な市政の在り方として問題だ。
本稿が、保育所等の施設整備の在り方の検証、「地方創生」予算の使われ方の検証、「子育てしやすい地域づくり」の政策検討に資することを期待する。

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