現代自治体再編論―市町村合併を超えて
いままさに進行している市町村合併は、どのような政治・経済的背景のもとに行われているのか、その本質は何か。行政学・財政学・行政方角から批判的に検討し、これからの議論の方向に説得力ある姿が提示される。
「本書を推奨します」
グローバリゼーションと産業構造の変化のために、国民国家の政治・行政制度の改革がはじまっている。日本の分権は、ヨーロッパ地方自治憲章の公共性と民主主義による改革ではなく、新自由主義の民営化と競争原理に流れはじめている。いま必要なことは、改めて日本国憲法の「地方自治の本旨」という基本理念にたちかえることである。市町村合併政策という誤った改革を超えて、未来の地方自治を考えるために、本書を推奨したい。
滋賀大学長 宮本憲一
【主な目次】
第1部 地方分権改革の現段階と自治体再編
第1章 小泉構造改革と自治体の新自由主義的再編／二宮厚美
第2章 地方分権改革の現段階／紙野健二
第2部 市町村合併推進の論理と問題点
第3章 自治体の広域再編の論理と問題点／渡名喜庸安
第4章 市町村合併の「推進」と地方自治／渡名喜庸安
第5章 市町村合併の「推進」と自治体財政／後藤 智
第3部 市町村合併を超えて
第6章 日本国憲法における地方自治保障と自治体像／白藤博行
第7章 地方自治と地域経済の発展／岡田知弘
第8章 広域行政と地域間連携／村上 博
第9章 自治体の「自立」と地方税財源／行方久生
第4部 市町村合併の歴史的考察
第10章 市町村合併の歴史的考察／山田公平
刊行年月日：2002/11/11