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『季刊・自治と分権』は、2024年冬号(94号・2024年1月発行)で終刊とし、デジタルによる無料配信に移行します。新しい名称は『デジタル「自治と分権」』とし、2024年7月より年2回(1月と7月)発行します。自治労連・地方自治問題研究機構のホームページから誰でも無料で閲覧、ダウンロードができるようにします。

新着一覧

No.93 /
2023.09

季刊 自治と分権 93号

政府はGX(グリーントランスフォーメーション)の名のもとに原発の稼働と新増設、稼働期間の大幅延長を推進しています。原発の推進に伴う犠牲や負担は、福島第一原発事故汚染水の海洋放出の強行、使用済み核燃料中間貯蔵施設の建設など、漁業関係者や地域・自治体に押しつけられています。また、再生可能エネルギーをめぐっては、大資本による大規模な太陽光発電や風力発電施設の建設が新たな環境破壊をもたらすなど、推進のあり方をめぐって重大な課題がうまれています。本号では、原発ゼロで脱炭素社会を実現するために、国民のくらしを支える基盤である国と自治体のエネルギー政策のあり方について考えます。
No.92 /
2023.06

季刊 自治と分権 92号

 岸田政権が敵基地攻撃能力を保有することを盛り込んだ「安保3文書」を閣議決定し、憲法9条に違反してアメリカと共同した海外への武力行使に踏み出そうとしています。軍事費をGDP2%以上に引き上げて新たな国民負担増を押し付けて、軍事大国・戦時国家への道を突き進んでいます。民間の空港や港湾も軍事利用を行い、自治体は住民監視、自衛隊員募集など戦争遂行の一翼を担わされようとしています。本号では、岸田政権の「安保3文書」の問題点をはじめ、国の安全保障のありかたと自治体の役割について、憲法と地方自治の視点から考えます。
No.91 /
2023.03

季刊 自治と分権 91号

 2023年春に実施される統一地方選挙は、これからの国と地方の進路を左右する重大な政治戦になります。新型コロナと異常な物価高騰で住民のくらしが困窮し、政府が敵基地攻撃能力(反撃能力)の保有など「安保3文書」を閣議決定して軍事大国化に踏み出す中で、平和憲法を守り、住民福祉の増進を図る役割を担う自治体のあり方が鋭く問われています。本号では、今日の地方政治をめぐる焦点と課題について、住民のくらし、地方議会、住民自治の視点から考えます。
No.90 /
2022.12

季刊 自治と分権 90号

 新型コロナ危機、異常な物価高騰による生活破壊が進行する中、住民のいのちとくらしを守る自治体の役割と責任が問われています。新自由主義に基づく「構造改革」で進められてきた自治体職員の削減と非正規化、アウトソーシングが、自治体の役割を放棄するものであることが新型コロナ危機のもとで明確になっています。「構造改革」で失われた公共を住民の手に取り戻すことは待ったなしの課題になっています。このような中、全国の自治体では、水道の民営化や窓口業務の民間委託をストップさせたり、「公共の再生」を公約にかかげる首長が誕生するなど、新しい兆しが見え始めています。本号では、住民のいのちとくらしを守り、公共を住民の手に取り戻すための政策、運動の課題について考えます。
No.89 /
2022.09

季刊 自治と分権 89号

 新型コロナ危機で、住民のいのちとくらしを守る自治体職員の役割の重要性が明らかになりました。しかし自治体では、これまでの「構造改革」による人員の削減により長時間・過密労働が蔓延し、過労死ラインを超えて働かされる深刻な人権侵害が起こっています。使用者が「臨時の必要がある」とさえ認めれば、上限なしに職員を働かせることができる労働基準法33条の規定が長時間労働を一層深刻にしています。また自治体では、職員の半数近くが民間の非正規雇用よりもさらに労働条件が劣悪な会計年度任用職員で働かされています。本号では、新型コロナで浮き彫りになった自治体職員の労働実態の問題を明らかにするとともに、人員増、労働時間規制、雇用継続、賃上げなど処遇改善への課題を考えます。
No.88 /
2022.07

季刊 自治と分権 88号

 新型コロナ感染症で、国民の生活、雇用、中小業者の営業が困難に陥っています。国民の生活を保障するための様々な施策が国と自治体において検討、実施されています。しかし国民の生活保障の土台となる日本の生活保護基準は極めて低く、憲法25条に基づき、国民のくらしの実態をふまえた「健康で文化的な生活」の基準が定められなければなりません。一方で財界や新自由主義の立場からは、一定の現金一律給付だけで社会保障や教育を国民(住民)の自己責任におしつけようとする「日本型ベーシックインカム」が検討されています。このような動きの中で、憲法に基づく国民の生活・所得の保障とナショナルミニマムのあり方と国と自治体の責務について考えます。
No.87 /
2022.03

季刊 自治と分権 87号

 SDGs(Sustainable Development Goals-持続可能な開発目標)は、2015年に国連で採択された目標です。2030年を期限として「誰一人取り残さない社会の実現」をスローガンに、「世界を持続可能かつ強くしなやかな道筋に移行させる」として、「貧困と格差の是正」「気候変動の打開」「ディーセントワークの実現」「平和で公正な社会」「ジェンダー平等の実現」など17の目標をかかげています。
 一方で、SDGsは目標の達成基準や達成への責任の主体は不明確です。日本政府はSDGsを「地方創生」戦略に取り込んでいますが、「実施方針」(2019改訂版)では、「貧困の解消」や「格差の是正」にはふれていません。また政府と財界は、SDGsの名のもとに「society5.0を実現する」としてプライバシー権を侵害する「スーパーシティ構想」を進めたり、「脱炭素・クリーンエネルギーを実現する」として原発を推進しています。SDGsの名のもとに現在行われている諸施策については検証が必要です。本号では、国連が進めるSDGsの現状と課題について考え、真に持続可能な社会への道筋を探求します。
No.86 /
2021.12

季刊 自治と分権 86号

 日本政府・財界は1980年代の臨調「行革」、2000年代からの「構造改革」において、国や自治体の公共サービスを縮小・民営化する政策を推し進めてきました。現在も「公的サービスの産業化」の名のもとに、公共サービスを民営化し、民間大企業の営利追求の対象に開放しています。一方で民営化は、サービスの質の低下、住民の人権保障機能の低下、企業との癒着、コスト増などの問題をもたらし、各地の自治体で直営に戻す動きも現れています。また日本政府が民営化の手本にしていたイギリスなど欧米諸国ではいま、労働組合・市民・研究団体の連携した取り組みで民営化された公共サービスを直営に戻す新しい動きが広がっています。
 本号では、公共サービスの民営化をめぐる現状と問題点を取り上げ、日本における公共サービスの再公営化に向けた課題と展望を考えます。
No.85 /
2021.10

季刊 自治と分権 85号

 世界経済フォーラム(WEF)が国別に男女格差を数値化した「ジェンダーギャップ指数2021」で日本は、調査対象となった世界156カ国中120位で、先進国の中では最低です。ジェンダーの問題が歴代の政権や財界などによって放置・助長されてきたことにより、今日の政治や社会と文化、国民生活のあらゆる分野で深刻な人権侵害をもたらしています。コロナ禍の下で、日本のジェンダー不平等が一層浮き彫りになっています。支配者によって歴史的に作り出されてきた「男らしく」「女らしく」という強制から脱却し、日本国憲法に基づく基本的人権を誰もが享受できるジェンダー平等の社会を実現させることが日本の社会において欠かすことのできない重要な課題になっています。本号では、ジェンダー平等を実現させるための課題と、自治体に求められる役割について考えます。
No.84 /
2021.07

季刊 自治と分権 84号

特集 自治体のデジタル化-問題点と課題

 政府は今年9月にデジタル庁を発足させ、国と地方自治体の「デジタル化」を進めようとしています。
 デジタルの技術は人類が生み出した最新の技術であり、地方自治体においても、「住民の福祉の増進」が図られるように有効に活用することが必要です。しかし一方で、デジタルの技術は未完成であり、セキュリティも万全ではありません。
 国は、デジタル技術を使って国民の個人情報を流用させ、個人情報を国民監視と企業の営利追求のために活用しようとしています。
 デジタル技術は、誰が、何の目的で、どのように取り扱うのかが問われています。本号では、国が進める「デジタル化」戦略について、国民の基本的人権と地方自治を守る立場から問題点を検証するとともに、今後の自治体におけるデジタル政策のあり方について考えます。
No.83 /
2021.04

季刊 自治と分権 83号

【特集】コロナ不況から、地域をどう再生するか

 新型コロナ感染症の拡大によってもたらされた未曽有の大不況は、グローバル化に依存する日本経済の脆弱性を浮き彫りにしました。
 コロナ禍で苦しむ中小業者や農家に対して、国は「補償なき自粛」を押し付けていますが、自治体では、独自の支援策で地域経済を支えようと懸命な努力が続いています。
 コロナ不況から地域を再生するために、外部依存ではなく、地域の資源を活かし、循環型、自立・自活型の経済をつくる取り組みが、あらためて注目されています。
 コロナ後の地域の姿はどうあるべきか―経済構造の転換と、地域住民が主体となる新しい自治のあり方について考えます。
No.82 /
2020.12

季刊 自治と分権 82号

 2021年最初の企画は、「"コロナ後"のあるべき社会を考える」です。
 「特別インタビュー」は、①新型コロナ感染症で、住民の命と健康を守る地域医療と自治体病院の役割があらためて問われており、“コロナ後”の地域医療や社会はどうあるべきなのか、地域医療の第一線で活躍されている邉見公雄全国公私病院連盟会長。②「敗戦処理・菅短命政権の新自由主義的強権政治~3つのニューディルの潮流の中で」と題して二宮厚美神戸大学名誉教授から「コロナ・パンデミックのさなかにおいて、『トランプの退場、菅政権の登場、大阪都構想の否決』といった『三大事件』のつながりは、どうみたらよいか」についてそれぞれ語って頂きました。
No.81 /
2020.09

季刊 自治と分権 81号

特集:コロナショックと国の自治体戦略
 国民の生命、健康、社会生活を脅かす新型コロナ感染症の拡大は、これまで公務公共サービスを縮小・解体してきた新自由主義に基づく諸政策の問題が明らかになりました。しかし政府はコロナ禍を「好機」ととらえ、デジタル化を軸に新たな新自由主義的国家戦略を打ち出しています。
 コロナ禍に乗じて政府が打ち出した新戦略を「骨太方針2020」や「第32次地方制度調査会答申」などから読み解いて特徴や問題点を明らかにするとともに、コロナショックから国民の生命と健康、くらしと雇用を守るために、国と自治体が果たすべき役割について、憲法と地方自治の理念を踏まえて提起します。
No.80 /
2020.07

季刊 自治と分権 80号

 特集は「気候変動の要因となっている温暖化防止のため、国と自治体にいま何が求められているか」をテーマに『気候変動と防災、問われる国と自治体の役割』について、「気候危機対策で国と自治体に何が求められるのか」、「土砂災害、河川氾濫への対応と自治体の役割」、「防災と自治体・自治体職員の果たすべき役割」について論じられています。
No.79 /
2020.03

季刊 自治と分権 79号

 特集は、「地方自治問題研究機構設立20周年記念企画シンポジウム」です。そこでは、「自治体戦略2040構想」を批判的に分析するだけでなく、憲法をいかし、地域の未来をどう切り拓くか、打開と展望について4名の方からの報告を受け、質疑応答が行われました。その中で北海道訓子府町菊池一春町長から、憲法の精神を基調に「すべての町民にやさしい町づくり」への挑戦とした報告がありました。
No.78 /
2019.12

季刊 自治と分権 78号

 今号の特集は2020年新春座談会です。「憲法を守りいかす、自治体の共同を広げよう」をテーマにコーディネーターの白藤博行専修大学教授と現職・元職の各首長と自治労連中央執行委員長が、住民のいのちと財産を守る首長の責務や、憲法と地方自治を守りいかす運動等について語り合って頂きました。
No.77 /
2019.10

季刊 自治と分権 77号

 今号は「各国にみる公共サービスの破壊」というテーマで、国際シンポジウムの内容を基に特集を企画しました。新自由主義による民営化はイギリス、韓国、アメリカとも共通していますが、一方で欧州では、水道などいったん民営化した事業を再公営化したり、ソウル市では市が雇用する非正規労働者を正規職員化するなど、新自由主義への対抗軸となる新しい動きが現れていることにも注目すべきでしょう。
No.76 /
2019.06

季刊 自治と分権 76号

 新自由主義のもとで広がる格差と貧困、公務の民営化・非正規化による労働者の不安、住民サービスの低下など国民生活をめぐる課題は深刻さを増しています。世間では天皇の代替わりによって元号が変わり、「令和最初の○○」と、まるで新しい時代が始まるかの雰囲気が作られています。
 特集では、公務公共サービスの産業化について、その変遷と対抗軸が示されており、現場レポートでは、学童保育事業、介護保険認定給付業務における民間委託との闘いと教訓が報告されています。
No.75 /
2019.03

季刊 自治と分権 75号

 辺野古の埋め立て強行、10月からの消費税率の引き上げ、憲法9条改悪議論など、国民要求と安倍政権による国政の乖離がより鮮明になってきています。参議院選挙を7月に控え、いま国と地方の進路が問われています。特集では、「安倍政権の9条改憲」「米軍基地問題と日米地位協定」「消費税」の側面から国と地方の進路について問いかけています。